補聴器は両耳にしなくてはならないのでしょうか?
人間の目が左右両方の目を使って一つのものを見ているように、耳も左右両方をバランスよく使い音や言葉を聞いています。
両耳で聞くことで音の方向感や距離感がつかみやすくなります。また、騒がしい場所での言葉の聞き取りも両耳からの情報を瞬時に分析することで可能になります。
難聴になるとこれらの機能の低下もあらわれてきます。
両耳に補聴器を付ける方が良く聞こえるということは自然なことですが、その効果が誰にでも、どんな難聴にも当てはまるとは必ずしも言えません。難聴の症状や種類によっては両耳で聞く効果が限定されたり、または効果がないという場合もあります。
ご自身の聴こえの状態をよく理解し、医師や補聴器技能者に相談しながらご自身の希望を踏まえたうえで装用を決断することをお勧めします。
こんな人は両耳の装用をおすすめいたします
- 左右の聴力差が少ない
- 最高語音明瞭度(言葉の聞き取り力)の差が少ない
買ってから毎日つけなければならないのでしょうか?
「補聴器も買ったし、練習も必要だし、明日から起きている間はずっとつけるぞ!」と前向きな意気込みを持つ方がいらっしゃいます。
それは気持ちとしては大切なのですが、長時間使いたい気持ちはいったん抑えて、最初の1週間は1日1時間~5時間以内の使用に留めてください。
そしてお使いになるのはご自宅等の静かな屋内で使用されることをお勧めします。
今まで聞こえていなかった周囲の生活音が耳に入ってくると、当然違和感が強くなり、せっかく買った補聴器も使わなくなってしまいます。
周囲の生活音=雑音・嫌な音と思ってしまうと、なかなかその意識を払拭することが出来ずに雑音ばかりが気になって補聴器を使用する事にも抵抗感を覚えてしまいがちです。
補聴器を通しての聴こえのリハビリテーションは一朝一夕にはできません。
少しずつ、焦らず音に慣らしていくことが大事になります。
耳鳴りがあるが、補聴器は使えますか?
耳鳴りは周囲の音が無いにもかかわらず、耳や頭の中で音がきこえてしまう症状をいいます。
人によって感じる音は様々で、音の種類も強さも違います。
セミが鳴いているようなジーッという音がきこえる方もいれば、甲高くキーンと聴こえる方もいます。
耳なりがもたらす影響は少なくありません。睡眠障害などの影響、憂うつ感、苛立ち、不安の増大など感情への影響も相互に関連すると考えられています。また、耳鳴り多くの場合、難聴を伴います。慢性の耳鳴りはその原因が完全には解明されておらず、決定的な治療法も確立されていません。
そのため近年では、耳鳴りを治すのではなくうまくコントロールして付き合っていく治療法が主体となってきています。
耳鳴り治療について
耳鳴りの治療は薬物療法、酸素療法、電気刺激や磁気刺激を用いる方法、他にマスカー療法等があります。治療の考え方としては根本的に耳鳴りの減弱や消失を目指すものと、耳鳴りによる生活の影響度を改善することを目的にした治療に分かれます。
耳鳴りが少しだけ聴こえる程度の音量の自然音や治療音を聞くようにすることで、相対的に耳鳴りを小さく感じることが出来るよう訓練をします。
最近の補聴器には治療音を流すことが出来る、サウンドジェネレーターを搭載したものも多く出てきています。医師の適切な指導の下、補聴器を使用しながら耳鳴り治療をする方もたくさんいらっしゃいます。