先日、札幌市社会福祉協議会でのイベントで参加者のみなさんへ「難聴と補聴器について」というテーマでお話をしてきました。今までの『補聴器のホンネで知りたい話』で触れた内容と重複する部分も多いのですが、そこでお話した内容をご紹介します。
加齢性難聴について
まだ聞こえているとは思いますが、こんなことありませんか?
- 呼びかけられても、聞こえない。
- 話の内容を聞き間違えてしまう。
- 「聞こえたふり」をしてしまう。
- TVやラジオの音が大きいと言われてしまう。
当てはまるようであれば、加齢に伴う難聴かもしれません。
加齢性難聴の主な原因
音のきこえ・言葉の判別の測定
音のきこえの測定
音のきこえはヘットフォンを装着し、「ピーピー」「ポーポー」と様々な周波数の音を聞いてもらい、聞こえ始める音量を右耳は〇で左耳は×で表し、つないで表にしたものです。
健聴者が聞こえ始める音量を0dBとします。聴力が低下してくるとグラフは下へと下がっていき、30dBから下になると聞こえにくさを感じるようになります。
言葉の聞取りの測定
言葉の聞取りの測定はヘットフォンを装着し、「ア・キ・シ・タ……」と一文字ずつの言葉を流し、正しく聞き取れる割合を測定します。徐々に音量を上げていき、最も正答率が高い所が最高語音明瞭度となり、補聴器を使用して普通に話す位の音量(60dB)で最高語音明瞭度が出るようにするのが目標となります。
健聴者は40dBで100%の聞取りとなりますが、この方の場合は右耳~80dBで60%、左耳~80dBで70%が最高語音明瞭度となります。
補聴器には慣れと練習が必要です
補聴器で聞こえを改善する
補聴器は聞こえている周波数は少し音を上げ、聞こえていない周波数は大きく音を上げる調整を行います。この方の場合は高音域が苦手なため、補聴器を使うと自分の声が甲高く感じ、水の音や食器が当たる音が強く感じられると思います。
一般的には30dBの音が聞こえなくなってくると難聴と言われます。体温計のピピピという音や手を擦り合わせた音が聞こえなくなってきたら要注意です。
加齢性難聴の場合、高音域が先に聞こえにくくなってきます。音の一部分が欠けた状態が聞き間違いに繋がり、聞き間違いをそのままにしておくと、言葉を判別する力が下がってしまう可能性があります。
補聴器を適切な調整の目標として、補聴器を装用した時に30dB~40dBで音が聞こえ始めるように調整するのが理想です。但し、最初から適正な音量だと「うるさい!雑音が聞こえる!」となってしまうので、最初は音量を下げて弱い音から練習を初め、段階的に音量を上げていきます。個人差はありますが3ヶ月を目安に調整を行い、時間を掛けて適正音量に慣れることが大切です。
初めての補聴器相談
補聴器店に相談に来店する目的は様々です。補聴器を見てみたい、補聴器が必要か知りたい、実際に補聴器を聞いてみたい、初めての相談の際はどんなことをするのか、音を調整して試聴までの流れをまとめました。
まずは困っている状況や生活環境を伺います。聴力を測定し、補聴器の音を調整して試聴まで時間を掛けて行うと90分程度掛かります。来店の際は事前に予約を取っていただくと助かります。
補聴器の形と価格
大き目の耳掛け型や耳の裏に隠れてしまうような小型の耳掛け型補聴器、耳の型を取って制作する耳穴型補聴器と様々な形があります。
価格は片耳で 9万円~ 60万円
両耳で15万円~110万円
と幅広い価格帯の機種がそろっています。
補聴器を購入する場所
最近は多くの店で補聴器を取り扱っており、どこで購入していいのか分からないという声をよく耳にしますが、補聴器を購入する際は『認定補聴器専門店』での購入をお勧めします。
認定補聴器専門店
補聴器調整のための設備機器が整っており、知識と経験・技術を持つ認定補聴器技能者が在籍し、財団法人テクノエイド協会の定める基準に適合して運営する補聴器販売店に認定証書が交付されます。
認定補聴器技能者
補聴器の販売や調整などに携わる人に対し、財団法人テクノエイド協会が、厳しい条件のもと、基準以上の知識や技能を持つことを認定して付与する資格です。
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